8本目を買い足したのに、結局いつもの1本に戻ってしまう人へ
香水を8本以上持っているのに、朝になるといつも同じ1本を選んでしまう。新しく買い足しても、それが定番に加わることはめったにない——香水好きの中級者なら、一度は経験する状況だと思います。
ニッチブランドの定番はだいたい試した。SNSで話題の新作も気になって試したけれど、結局自分の棚には並んでいない。
この記事では、そんな状態で次の1本に迷っている人に向けて、知名度はあるけれど実際に纏っている人が少ない名作を3本紹介します。Diptyqueのオーデュエル、Le Laboのサンタル33、Tom Fordのウードウッド。どれも発売から10年以上経っても品番が変わらず生き残っている香水です。
この記事でわかること
- 中級者が次の1本に選びやすい3本の特徴
- 知名度と着用率のギャップが大きい香水とは
- 8本目以降に手が止まる理由と解決方法
なぜ「有名な名作」より「静かな名作」が刺さるのか
香水を10本近く持つようになると、選び方の基準が変わってきます。最初の頃は「自分に合うか」「人に褒められるか」で選んでいたものが、だんだん「人と被らないか」「ブランドの背景に納得できるか」が重要になってきます。
この段階で困るのが、SNSで話題になっている香水ほど街で出会う頻度が高くなることです。バズった香水は当然多くの人が買うので、せっかく選んでも「またこの香りか」と思われやすくなります。
一方で、ブランドのカタログには載っているけれどあまり語られない香水があります。発売から年数が経っていて、ブランドの代表作の陰に隠れているような1本。こうした香水は知名度に対して着用者が少なく、纏ったときに気づいてもらえる確率が高くなります。
この記事で紹介する3本は、すべてこの「知名度と着用率のギャップ」が大きい名作です。
中級者の次の1本|静かな名作3選
Diptyqueが2010年に発表した、シナモンとジンジャーを軸にしたスパイシーウッディの香水です。価格は14,800円。
Diptyqueの代表作といえばドソンやフィロシコスが挙がることが多く、オーデュエルはその陰に隠れがちな1本です。ただ、Diptyqueのなかで「冬向け」「温かみのある香り」を求めると最終的にここに辿り着きます。
冬の名香と紹介されることが多いですが、実際には夏の冷房が効いた室内や雨上がりの夕方など、空気がひんやりした場面で立ち上がります。季節というより気温で選ぶ香水だと考えてください。
ニューヨーク・ブルックリン発のLe Laboを代表する、白檀を軸にしたウッディフレグランスです。価格は26,400円。
名前だけならフレグランス好きで知らない人はいないほど有名な1本ですが、実際に街で出会う頻度はそれほど高くありません。語られる回数と纏う人の数が一致しない、典型的な「知名度先行」の香水です。
白檀の温かさに、紙やインクのような乾いた香りが重なります。男女どちらでも纏える設計で、季節も選びません。プッシュ1回で半日香るので、つけすぎ注意。手首ではなくシャツの内側に1プッシュが扱いやすいです。
Tom Fordプライベートブレンドの初期作品で、ウード・ローズウッド・カルダモンを組み合わせたオリエンタルウッディの香水です。価格は32,000円。
Tom Fordの香水はブラックオーキッドやヴィオレ・ファタルなど派手な作品が目立ちますが、ウードウッドだけは控えめな佇まいで10年以上品番が変わらず売れ続けています。中東の伝統香料「ウード」を西洋の香水文化に持ち込んだ最初期の名作のひとつとして、業界での評価も高い1本です。
つけたては重く感じますが、半日経った後の残り香が本領です。会議や食事の場で、その場ではあまり気づかれず、別れた後に「あれは何の香水だった?」と聞かれるタイプ。
3本に共通する「次の1本」になりやすい条件
今回紹介した3本は価格帯が14,800円〜32,000円と決して安くはありません。ただ、この価格帯の香水を選ぶときに見るべきポイントが3つあります。
1つ目は、発売から最低5年以上経っても品番が変わっていないこと。香水は流行に左右されやすい商品で、3年以内に廃番になる新作も多いなか、長く生き残っている香水は品質と需要の両方が安定している証拠です。
2つ目は、ブランドの代表作の陰に隠れていること。ブランドの一番有名な香水は当然多くの人が選びますが、2番手・3番手に位置する名作は知る人ぞ知る存在になります。被りにくく、それでいてブランドの哲学はしっかり感じられる、というバランスが取れます。
3つ目は、つけたてより残り香が良いこと。中級者が選ぶ香水は「自分が他人にどう見られるか」より「半日経っても自分が心地よいか」が基準になります。残り香が良い香水は、結果として周りからの評価も高くなります。
よくある質問
Q. サンタル33はSNSで話題になりすぎていて、もう被りませんか?
A. 確かにSNSでは頻繁に名前を見ます。ただ、語られる回数に対して実際の購入者数はそれほど多くありません。1本26,400円という価格も購入のハードルになっているため、街で実際に出会う確率は思っているほど高くないというのが実感です。
Q. オーデュエルは冬以外でも使えますか?
A. 公式には冬向けとされていますが、夏の冷房が強く効いた室内や、雨で気温が下がった日にもよく合います。気温が25度以下になる場面なら通年使えると考えてよいです。
Q. ウードウッドは初心者には強すぎませんか?
A. つけたては確かに重く感じます。ただし1〜2プッシュで十分なので、量を調整すれば中級者なら扱える範囲です。手首より、シャツの内側に1プッシュするのがおすすめです。
まとめ|次の1本選びに迷ったら
今回は中級者が次の1本に迷ったときの選択肢として、Diptyqueのオーデュエル、Le Laboのサンタル33、Tom Fordのウードウッドの3本を紹介しました。
どれも14,800円〜32,000円と、気軽に試せる価格ではありません。ただ、すでに香水を8本以上持っている人なら、棚に並ぶ既存の香水との違いが纏った瞬間にわかると思います。
ニッチ香水のさらに深い世界に興味があれば、Byredo、Frederic Malle、Serge Lutensまで含めた中級者向けランキングも別記事で展開しています。あわせて読むと、自分の好みの方向性がさらに明確になります。
